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自家消費システムに適合するパワーコンディショナを見極める①

なぜ自家消費システムの成功のカギはパワーコンディショナのチョイスなのか?

逆潮流無しの自家消費システムの提案機会が増えてきていると思いますが、皆さまはどのような基準で機器選定をおこなっているでしょうか?

太陽電池モジュールに関しては、設置面積と必要な出力によって最適な変換効率の商品を選定することが必要ですが、導入したシステムが円滑に運用できるかどうかのカギを握るのはパワーコンディショナです。今回はパワーコンディショナのどういったポイントに注目すべきかについて解説します。

 

 

自家消費システムパワコンの導入事例(Solaredge 33.3kW x 15台)

最近は逆潮流ありでの自家消費システム提案は、出力抑制等の影響を受けることからメリットが無く、また接続自体に制約を受けるため「逆潮流無し」での提案が主流になっています。しかしながら逆潮流無しの運用は、FIT運用のパワーコンディショナと運転条件が大きく異なります。FITの場合は太陽電池モジュールが出力する電気エネルギーを交流に変換して成り行きで吐き出すだけなので特に複雑な制御は必要ありませんが、逆潮流無しの場合はユーザーの電力消費量とバランスさせる必要があります。従って、パワーコンディショナを選定する場合は、このバランス力についてよく検討する必要があります。

 

発電所を設置する事業所の電力消費量が休日夜間を問わずパワーコンディショナの容量より常に大きい場合は特段問題ありませんが、特高受電クラスの事業所に小容量導入するというようなケース以外は非常に少ないと思います。創業時、休業時関わらずパワーコンディショナの容量が事業所の電力需要と近い場合は、パワーコンディショナがいかに事業所の負荷変動に追従できるかがポイントになります。

需要家の「電気の使い方」を知ることが重要!

皆様はパワーコンディショナの選定に必要な「事業所の負荷変動」はどのようなデータから判断できるかご存じでしょうか? 大体の人は30分のデマンドデータを入手できれば判断できる、と考えられると思いますが、これは正しくありません。30分デマンドデータは30分間の電力積算値を2倍した値なので、パワーコンディショナの制御に必要な秒単位の変動に関する情報に関しては判りません。逆潮流無しの場合は逆潮流を検出する逆電力継電器(RPR)を設置する必要がありますが、系統連系規定では2秒以下の設定が推奨されています。しかしながら、電力会社との協議結果によっては0.5秒や1秒など、非常に短い時限を要求されるケースもあります。従いまして需要家の電力消費量がこの短い時限の間でどのように変化するか、それに対してどのようにパワーコンディショナを運用するか検討する必要があります。正確に把握するためには非常に短い周期(1秒間隔)の電力データをデータロガー等で1週間程度収集する方法が理想ですが、設置の手間や、ロガーのレンタル代等がかかります。そこで簡易的に事業所内で最も大きな電力消費をする機器(複数の機器が連動する場合はその合計)の1.5倍程度を最大変動幅と見込んで検討することができます。

安定した発電システムを構築するためには?

太陽光発電システムを安定して運用させるには、受電点の情報を元にパワーコンディショナの出力を短時間で調整させる必要があります。その詳細に関しては次回ご説明しますが、それ以外にシステム安定に寄与できる方法として以下の3つがあります。

 

①最適な最低受電量の設定

 事業所の方で負荷変動があった場合でもRPRが動作しない様、予め一定量の受電量を確保することでパワーコンディショナの制御が追い付かなくてもRPRが動作することを防止する。但しあまり最低受電量の設定が大きすぎると太陽電池モジュールからの電気を利用できる割合が減ってしまいます。

 

②パワーコンディショナの制動時間の設定

 パワーコンディショナの制動時間や出力変化割合の設定が変更できるパワーコンディショナであれば、応答速度や変化率を大きくすることで、目標に到達するまでの応答速度を上げることができます。但しあまり応答制動を上げすぎると、ハンチングを起こしてパワーコンディショナの出力が不安定になります。特に台数が多い場合はお互いの出力変動の影響を受ける、いわゆるケンカ制御になるため一層不安定さが増します。

 

③外部からの信号による予備制動

 事業所内の特定負荷が大きな変動の要因になっている場合は、その負荷変動を事前に察知して予めパワーコンディショナの出力を下げることができます。但し、そのような機能を有するパワーコンディショナを使用していることが条件になります。

 

パワーコンディショナは各メーカーによって機能は様々です。従って事業所の特性を把握したうえで運用に適したパワーコンディショナを選ぶことが重要になります。

 

当社で導入実績がある自家消費システムでは、Solaredge社のパワーコンディショナが多く採用されています。Solaredge社のパワーコンディショナは上記の様なシチュエーションに対応できる機能が搭載されているため、通常のパワーコンディショナでは対応が難しいケースでも対応可能なシステムを組むことができます。また、安全性やモジュールレベルでの監視が保守管理上高い評価を受けていることも大きな要因です。

 

Krannich Solarではお客様から頂いた情報に基づいて最適な提案をさせて頂きますので、ぜひ当社スタッフにお問い合わせください。

 

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